DQ6プレイ日記 その2

はじめての就職

 魔王倒して王様んとこに戻ったら、杖一本よこして褒美だとかぬかしやがった。次はおまえが相手でもいいんだぞ?
 本気でやることがなくなってしまった主人公は、自分探しの旅という、いと哲学チックな旅行に出発することにした。どういうわけか、パイナップル様も冷血女もハッタリくんも迷子も何も言わずに主人公についてくる。誰もそのことにツッコミを入れないところをみると、彼らも相当暇らしい。
 まずはあちこちの町を巡って人の噂を聞いてみる。バザーの町に行ってみたら例のおなべのふたの親父がまた魅惑的な売り口上を並べていたので、つい誘惑に駆られて大枚1000円払って買ってみるとステテコパンツだった。魔王より先にこの親父を倒した方が世のためだと思う
 続いて神殿が復活したとかいう噂を耳にしたので神殿跡地にいってみる。やっぱり壊れたままなので上の世界に戻ってみると、「ダーマの神殿」とかいうものがボボーンと建っていた。転職するための場所だとのことで、つまりは求人センターの類らしい。主人公たちは揃ってプーなので、転職ではなく初めての就職を試みた。パイナップル様は「武道家」、冷血女は「魔法使い」、ハッタリくんは「僧侶」、迷子は「踊り子」、と見た目どうりの役をふってみる。主人公は戦士というのも芸がないので「魔物使い」とかいうものにしてみた。どのみち主人公には少しも期待していない。
 なんたら族の族長が気前よく船を譲ってくれたので、下の世界に戻ってしばらく航海してみることにした。


巨大狼男

 なんたら族の村から壮大な気分で船を漕ぎ出し、東側の山をちょっと迂回したところでそそくさと上陸。そこから北の町に行ってみると、夜中に化け物が出たので速攻退治した。じつは化け物は町の英雄の夜の姿だったというオチだった。まるで大きくなりすぎた狼男である。
 こいつをなんとかするために北の山へ薬になる種を探しに出かけた。山のてっぺんに怪しい草が生えていたのでさっそく引っこ抜こうとしたら、草がしゃべった。なにも驚くにはあたらない。旅に出たての頃にこういうやからに全滅させられた恨みは忘れるものか
「イタイイタイ! おまえたちが探しているのは種であって草じゃないだろう。抜くな抜くな」
 草にしては整然たる主張である。
「種ならそのへんに落ちているだろう」
 言われて草むらを探してみたが何も見つからない。さてはまた草にたばかられたか。じつは種じゃなくてこの草の根っこが必要なんじゃないか? 思わずもう一度引き抜きにかかる。
「イタイイタイ!」
 同じことを言われた。さらに探し回ってみるがいっこうに見つからない。頭にきてさらに2、3回抜きにいく。
「イタイイタイ!」
「イタイイタイ!」
 そのうちやっと種を拾えた。なんだ、言ってたことはほんとだったか。
 草は調子にのって「わからないことがあったら聞きにこい」などとうそぶいている。どうせなら草も引き抜いていってサーカスにでも売り飛ばせばいい金になるだろうと思ったが、そんな選択肢はなかったのであえなく断念する。
 町に帰って英雄とやらに種を飲ませたら、自由に化け物になれるようになって本人喜んでいる。まあ本人がいいならそれでいいか。ついでに仲間になりたいというので馬車に乗せてやった。また暇人が一人増えた。この先どれだけ増えるのだろう。
 さっそく狼男を職につかせてやろうと神殿へ。戦士風の身なりなので商人にしてやった。商人がパーティにいると金が増えると耳にしたからで、狼男に主張があったとしても通してやる気はさらさらない。


またも先を越される

 船に乗った直後、また上陸できそうな場所があったので降りてみると、今度は城があった。王様によると、なんでも北の洞窟で魔物が通せんぼしているとかで、そいつを倒せるやつを探しているのだと。
「褒美は用意している。魔物を倒した者に稲妻の剣をやろう」
 剣はいいね。どこかのヘボ王とはえらい違いだ。親父のことだけど
 ついさっき道ですれ違った青服の男が先に洞窟に向かったとのことで、褒美は早いもの勝ちだと急かされた。早いもの勝ちには嫌な思い出がある。パイナップル様に先を越されて城の兵士になれず、町のみんなになぐさめられたあの屈辱の日々。ま、パイナップル様相手じゃ仕方なかったか。
 さっそく北の洞窟へ。また先を越されたら今夜うなされそうなので、敵に会ってもひたすら逃げ、宝箱を探そうともせずに洞窟の奥へと急ぐ。すると青服と化け物がにらみあっていた。よしチャンスだ。横からいいとこだけかっさらってやれ
 ところが青服のやつ、一人で化け物をあっさり倒して立ち去ってしまった。そういえば、こっちが四人がかりでぶちのめした兵団長もこいつ一人で倒したとか言ってたっけ。ふーん。勝ち目ないや。ていうかハッタリくんの代理で仲間にならないか?。声をかけたが仲間になってくれなかった。暇人パーティーとぶらり旅をする気はないらしい。
 城に戻って王様に泣きついてみたが、青服に稲妻の剣を渡してしまってすまないがおまえたちにやれるものはないなどと微妙になぐさめられた。やはり今夜はうなされそうだ。


鳥頭5たび

 適当に世界中駆け回っていると、洞窟で宿屋を開業している儲かってなさそうな親父を発見。なんでもその先に町があるとかいうので、試しに行ってみるとぼろぼろに寂れた町があった。住民の多くは幸せの国に行ってしまったのだとか。今夜も岬の先に幸せの国の使いが来て、幸せの国に連れてってくれるという。こんなアヤシイ話に引っかかるのは相当な愚か者だ。どれ、どんなやつが引っかかっているのか見てやろう…と岬に向かう暇人一行。
 岬にはひょっこりひょうたん島としか思えない形の浮き島が横付けされていて、島の中の一軒屋では町の人たちが怪しげな連中に怪しげにもてなされていた。はん、他愛のない連中だぜ、こんな見え透いた罠に引っかかるとは…じつはこの怪しげな連中の正体は魔物で、うかうかしてると地獄だか誰かの腹の中だかに連れて行かれるって寸法だぜ? バレバレなんだよ。ほら、酒場で酒を飲ませようとしてるおっさん、こいつなんてすっげえ怪しいじゃん。酒? 飲むわけないっての。どうせ毒かなんか入ってるんだろ。誰がそんなもの…って飲まないとストーリー進まないのかよ。
 で、予想通り敵の本拠地っぽいところに連れて行かれた。もてなしてた連中はいつ着替えたのかすっかり悪魔ルックスになっている。その悪魔どもに連行された先には不恰好な鳥頭が待っていた。
「おまえらのはらわたを食い尽くしてくれるわ~」
 へいへい、そうですかい。でもこっちには無敵のパイナップル様がいるんだぜ? そうむざむざと食べられるかっての…ってうわーめっちゃ強いよこいつ。冷血女とハッタリくんは瞬殺、主人公もあっさりダウン、頼みのパイナップル様も一人じゃあどうにもならない。ぜんぜん勝てる気がしないまま揃って昇天してしまった。
 全滅してはっと気がつくと、なぜかあの洞窟の宿屋で目が覚めた。
「ずいぶんうなされてましたよ?」
 なんだ夢か。そうだよな、あんな段違いに強いボスが現時点で出てくるわけないよな。はははは。
 気を取り直して洞窟の外へ。するとそこには寂れた町があって、幸せの国の使いが来て…ん?
 あいつを倒さないとストーリーが進まないってさ。
 まったく同じシチュエーションで鳥頭と遭遇。前回とほとんど変わらない負けっぷりで全滅、洞窟の宿屋で復活。レベルを上げて鳥頭を粉砕するまでに洞窟の宿屋で4回も目を覚ます羽目に。本気で悪夢だ。


やたらと勘のいい男

 ひょうたん島を動かせるようになってから、なんやかやあって、とある漁村で人魚を発見。その寂れた漁村には足が悪いボブとかいう漁師がいた。食糧難の折に村の魚を買い占めているとか、村外れの洞窟に人目を盗んで入っていくのを見たとか、なにやらキナくさい噂の持ち主だ。きっと洞窟の奥でバイヤー相手に、買い占めた魚を高値で売りさばいて利ざやを稼いでいるに違いない。なんてやつだ。黙っててやるから稼ぎをよこせとボブの跡を追ってみた。
 ところがこの男、野生児みたいな外見&名前どおりにやたらと勘がいい。つかず離れずでついていっても、いきなり後ろを振り返って追跡を見破り、一人いいわけをして帰っていってしまう。帰られてしまうと一から追跡をやり直さなければならず、結局7回もやり直しを食う羽目になった。鳥頭挑戦回数よりも多いのが哀しい。それにしても、こう何度も尾行に気づきながらすぐにほいほいと出かけるボブという男は用心深いのかなんなのか。
 その後、洞窟の奥ではぐれ人魚と会い、ボブの頼みで仲間のもとへ帰してやることに。「仲間がいる北東の海峡に連れて行ってやってくれ」というので軽い気持ちで引き受けたまではよかったが、その北東の海峡とやらが一向に見つからない。1時間も海をかけずりまわったが進展なし。なんでこんなに苦労して遊園地の迷子係りみたいな真似をせねばならんのだ。腹がたってきたがボブに文句をつけにいってもてんで話を聞いてくれず、人魚はいつまでも船の後ろをついてくる。こうして無事人魚を仲間たちに引き渡すまでに数時間が虚しく費やされた。


主人公、自分を取り戻す

 むやみに世界中駆け回っていたら、最初の村の「下の世界版」を発見した。あの主人公の妹もどきがいる、やんちゃな金髪男がいる、そしてもう一人の主人公がいる。…主人公?
 話を聞いてみると、オープニングで石にされて飛ばされた主人公の片割れだとか。そういえばパイナップルの石になったやつも魔王の城で見つけたっけ。しかしあれだ、石にされたのは体だけだろう? 魔王の力で体と魂が分離されたとかじゃなかったか? 目の前にいる主人公はなんで石化が解けているんだ? しかも体だけの存在のはずなのにさくさく動いているのはなぜだ? …と、こんな素朴で誰でも思いつきそうな疑問などあっさり無視してストーリーは進んでいく。製作元に問い合わせてもおおかたファンタジーだからという答えで一蹴されるのだろう。
 と、突然魔物たちが村を襲ってきて、応戦する村人たちを手助けすることに。村人がクワを手に魔物と渡り合うのをしばらく眺めていたが、村人がやられそうな気配は少しもない。試しに魔物と戦ってみると、村の周辺で出てくるのより数ランク上のモンスターで少しばかり苦戦してしまった。村人の底力は計り知れない。村人を総動員すれば魔王でもなんでも倒せるんじゃないのか。
 茶番が終わり、主人公は魂と体がもとどおり一つになった。すると妹ではなかった妹が気落ちして、これまでみたいにタダで泊まらせてくれなくなった。なんてこった。わずかな宿代をケチるには格好の寝場所だったのに。
 さらにひさびさに城に戻ると、主人公が王子の本性を取り戻したと聞いて城中浮かれ騒き始めた。おめでたい連中だ。そこへ招かれていたのは、あの冷血女を預かっていた占い婆。こいつもこれまでタダで寝泊りさせてくれたのだが、その後息もたえだえになって訪ねたら、婆さんのんきにこんなことを言うばかりで泊めてくれない。
「やっぱりあたしには城よりこっち(占い館)が似合ってるよ」
 いいから泊めろ。こっちは死にかけてるんだ。


迷子の正体

 自分探しという高尚な目的は果たされたが、今度は生みの母親の提案で、世界平和を守るための旅にすり替えられてしまった。他の連中はあいかわらず黙ってついてくる。他にやることはないのだろうか。
 あの人魚のいたあたりの海底に悪魔が住んでいるというので、試しに潜って探索してみたら、いかにも悪魔の城っぽいのを見つけた。さっそく潜入。
 奥には出来損ないの半漁人みたいなのがいた。話の展開からすると、最初の魔王、鳥頭に続く第三の魔王なのだが、前の二匹に比べると桁外れに弱い。珍しくあっさり勝ってしまった。すると半漁人に封印されていた伝説の都市が蘇ったというので、久々に上の世界に戻ってみることに。
 伝説の都市に行ってみると、じつはそこは迷子の故郷だとわかった。しかも迷子はその魔法都市でも最強の魔力を持っていて、さらに次期長老候補なのだとかでちゃっかり最強魔法とやらを習得。しまった、こいつは魔法使いにすべきだったのか。よくわからなかったから踊り子から遊び人を経由して、今ではスーパースターとかいう得体の知れない職業に就いてしまっている。ラスボスがスーパースターの放つ最強魔法で倒れる様を想像したらひどく惨めな気分になった。こいつの存在はしばらく忘れることにしよう。


弟よ

 伝説の四つの武具を揃えると神の城に行けるというので、苦労して全部集め、さらに苦労して次の目的地を探し出し、パズルを解いて天空へ。すると最後の魔王が出てきて戦闘になった。
「わがしもべよ、いでよ!」
 なあんだ、最初はザコからですか。そんなのちょちょいと…とタカをくくっていたら、このザコ敵の強いこと。あれよという間に全滅してしまった。魔王がシラけて伝説の武具を取り上げるというので、なんだかやばそうだと涙をのんで掟破りのリセット。最初のザコがあれだけ強いのなら、魔王本体はどれだけ強いのか…と青くなって修行に励み、いい加減レベル上げに飽きてきたところで再戦を申し込んだ。
 最初のザコはどうにかクリア。次に出てきたのは、なんとあの稲妻の剣をかっさらっていった青服男。ははは、こいつを倒せば魔王を倒した後で仲間になるに違いない。なぜって、それが相場、王道だからだ。ちょちょいとひねって倒してしまうと、ついに魔王本人が襲ってきた。気合を入れてかかってみると、思ったほどでもなく、一回で倒せてしまった。レベル上げの効果ではなく、最初のザコが強すぎたらしい。普通そういうのをザコとは呼ばないのだが
 魔王を倒すと、予想どおり青服がむくりと起き上がった。そこへ冷血女がしゃしゃり出て、青服が自分の弟だとわめきだした。いくつかの情報からそんなことはとっくに気づいていたのだが、なんとパイナップルとハッタリくんはまったく気づかなかったらしい。思わず「賢さ」のステータスを確認してしまった
 いつぞや巨大ドラゴンを瞬殺してみせた青服の実力やいかに…と期待して使ってみたら、これがハッタリくんも真っ青なほどの見かけ倒し。彼には馬車の中にうずくまっていてもらうことにした。ちなみにあの巨大ドラゴンも復活して仲間になったが、得体が知れないのとレベルが低くて使えそうにないのとでこれまた馬車要員に。暇人は増えたが前線のメンバーは変わることがない。最初の四人を上回るメンツがいないというのだから、世界の平和は危うい。


大魔王の底力

 封印されていたペガサスを解放し、ついに大魔王が住む狭間の世界へ。ところが体力を使い果たしたのか、到着直後に全員のHPが1になってしまった。魔法でさっさと回復だ…と思ったらMPまで全員ゼロになっている。見れば他の全ステータスもゼロになっているではないか。これで間違いなく故郷の村の村人たちより弱くなってしまった。しかもペガサスまで疲れたらしく元の世界に戻ることもできない。
 考えても仕方ないので近場に見えている町へ行って宿屋に泊まったが、まだ回復しない。 そこでとある家の二階にいったら悪魔ルックスなやつがいて、町を見張っているのだと偉そうなことを言った。ほほう、きっとこいつを倒せば元通りの強さに戻れるんだな? そう思った主人公たちはへろへろな状態のまま敵に挑んでみた。二人死んだがどうにか勝てた。しかし勝っても何も起こらない。そしてここで初めて死人を生き返らせる方法がないことに気づく
 どうにもならないので棺おけ二つひきずって西にある温泉へ。流れるプールみたいな温泉内を無理やり歩き回って宝がないかと探し回ったら、ひょっこり元の世界に戻ってしまった。これで助かった、と思ったのに、能力値はゼロのまま、宿屋に泊まってもだめ。驚いたのは、酒場に預けていた、狭間の世界に行っていない仲間までステータスがゼロになっているのだ。どういう仕組みかわからんが、大魔王すげえ。ラスボス戦でこの技を使われたら絶対に勝てないが、たぶん使われることはないだろう。


悪魔に魂を売る

 イベントをこなして能力値を元に戻した一行。次の町では伝説の賢者が残した宝の話を耳にした。こいつはおれたちの出番だ、とはりきって探索し、町の西にある湖の底に宝があることを知る。ところが湖にはすでに長蛇の列が。みんな宝を取りに来たらしい。がめついやつらだ。
 しかしこちらも湖の底には入っていけない。困った。とりあえず一通り集まっている連中の話を聞いてみるが、役に立ちそうな情報はない。そのうちの一人がこんなことを聞いてきた。
「この湖の底に行けるなら、悪魔に魂を売ってもいいと思いません?」
 「はい、いいえ」で返答を迫られた。ここでイエスと答えるわけにはいかない。なにしろ主人公たちは世界平和を守るヒーロー集団のつもりなのだから。しかし待てど暮らせど工夫せど、湖の底には行けずストーリーも進行しない。おいおいどうなってんだよ…と数時間悩んだ挙句、嫌な予感に襲われる。
「この湖の底に行けるなら、悪魔に魂を売ってもいいと思いません?」
 …イエス。
  
ごごごごごごごご
   

 悪魔に魂売らないと先に進めないのかよ。
 湖の水が引いて、集まっていた連中がわれ先にと底の宝箱めがけて突進。適当に話かけてみると、みんな自分が先だと言い争っている様子。だが宝箱までの道がすらーっと空いているではないか。未熟者どもめと宝を先取りしてやると、なんと箱の中身は空。それを見た未熟者ども、なぜか笑って打ち解けはじめた。
「いやあ、空っぽの宝目当てに殺し合いまでしてしまったよあはははは」
 笑って済む話じゃないだろ。


芋虫を食え

 次の牢獄の町では住人たちが魔物に奴隷にされていて、見知らぬ男がギロチンで処刑されかけていたのでなんとなく助けてみた。ボスの前まで行くとシスターが悪魔に捕まっていて、嫁になれとかなんとか日本昔話みたいな脅迫を受けている。べつにシスターに義理はないが、成り行き上ボスと戦ってみたらあっさり全滅した。どうも最近ボスが強すぎる気がする。
 運良く牢獄内で復活したので、ボスと再戦しにいってみた。するとシスターが捕まっているところまでは同じだが、悪魔のセリフが変わっていた。
「そら、この芋虫を生きたまま食うがよい」
 これ何をしている。全滅後にセリフが変わるとはなかなか芸が細かいが、いやまてよ、もしまた全滅してここに戻ってきたらもっとエグい場面を見せつけられたりするんだろうか。いっそもう一回負けてみるか? しかし今度は運良く勝ってしまった。もう一回やっても勝てる自信がないので、シスターのその後を知るためにリセットなんてことはしなかった。


攻撃! 大魔王の城

 牢獄の町とその先とで賢者兄弟を助けてみると、兄の方がすごそうなことを言った。
「われら二人が揃えば旅の扉を生み出すことができる」
 旅の扉というと、時空間をねじまげて空間上の二点を結んだ、要するに固定どこでもドアみたいなものだ。大昔のドラクエでそんなのを見た気がするぞ。あれを作ったのが人間だったとは知らなんだ。
「われらの力を見せてやろう」
 へえ、大魔王のまん前までの近道でも作ってくれるのか…と思っていたら、賢者二人揃って超極太レーザーを天空に向かって発射し始めた。その方向に何があるかというと、不自然な形に切り立った山と、その上には大魔王の城が。ドドドドという轟音とともに山が消滅し、足場を失った大魔王の城が空から降ってきてすぐ目の前にどすんと落ちた。相談もなくいきなりこんなクレイジーな攻撃をかますとは、案外危険な兄弟だ。
「魔王の城には傷一つつかなんだか。さすが大魔王の魔力じゃ
 そういう問題ではない気がする。いくら城の見た目が無事でも、あれだけ重そうなものがあれだけの勢いで落下したのだから、城の内部はめちゃめちゃになり内部で多数の被害者がのたうちまわっているはずだ。
 すぐ目の前なので試しに大魔王の城に入ってみた。中は案外まともで、のたうちまわる被害者どころか元気いっぱいのモンスターに襲われ、2、3戦でピンチ状態に。速攻で撤収した。つくづく今後が思いやられる。


突撃! 大魔王

 なんでこんなにというほど強いザコ敵を倒しつつやられつつ、へたへたな状態で大魔王のもとへ。なんだじじいじゃないか…と思ったらこれが凶悪に強い。全員100ダメージ以上受ける攻撃をガンガン食らってあっさり全滅。
 何よりベストな状態でラスボスに挑めなかったのが痛かった。要するに、そこに至るまでにザコ敵の相手をしているからいけないわけだ。そこで暇人ご一行は逃げ作戦を敢行。大魔王のもとまでほとんど無傷でたどりつき、いざ再戦。じじいを倒したら予想通り「正体」とやらが出てきた。ナメック星にいそうな格好の力馬鹿を倒したら、なんとさらにまた「最終形態」とやらが飛び出してきた。正体と最終形態という使い分けはなかなかクールだ。こいつに計4回全滅させられ、いくらなんでも強すぎるだろ…と憤然としたが、ふとパーティメンバーの職業を見て絶句。
 
 主人公盗賊
 パイナップル僧侶
 ハッタリくん魔法使い
 冷血女:賢者

 なんだこの弱そうな編成は。じつは職業極めようと何度も転職し、レベル上げの途中のような中途半端な状態にしていたことをすっかり忘れていた。全メンバーを上級職に格上げして再戦したら、ラスボスもコロリ。めでたしめでたし。
 …最強魔法のことをすっかり忘れていた


残った謎

 ぱっとしないエンディング後にDQ6を振り返ってみると、細かい謎が解けないまま残されていることに気づいた。ネットで攻略サイトを探して調べてみたが、謎は謎のままだった。以下残った謎を書き留めておこう。

  • 最初に冷血女が仲間になったいきさつ。
  • 最初の魔王との戦いの前に迷子が同行拒否した理由。ただのわがまま?
  • 山の上に生えていたしゃべる草の、イベント後の存在理由。重要そうなフリをしていたが結局役立たずだった。
  • 冷血女の本体はどこへ消えたのか。合体すれば究極最強魔法の一つや二つ思い出したはずだ
  • 海底にいたお笑い芸人の使いどころ。いやそれよりもどうやったらあんなところで生活できるのか
  • オープニングで冷血女が手にしていた笛の正体。牢屋のじじいが持っていた、だけで納得できるものか
  • ついでに笛で呼ばれたドラゴンの正体。どこの馬の骨だ
  • 上の世界の城で、武器屋の扉がどの鍵を使っても開かない。中のタンスに何が入っているのか無性に気になる
 かくして、数多くの謎を残してDQ6の旅は終わった。


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