ウィザードリィ



 その乱暴なゲームバランスにより一部で有名なこの人気シリーズ。プレイヤーは6人まででパーティを組めるが、一人旅など考えない方がよい。6人いても最初の戦闘で半数が死んだりする。
  1. バランス
     このシリーズのバランスはいつも同じだ。序盤はやや楽に進めるがそのうちレベルが上がらなくなる。そこからが地獄の始まり。敵は遠慮なく強くなって全滅も珍しくなくなる。しかも全滅してお墓の画面になったところで焦ってボタンを押そうものなら、全滅した状態で勝手にセーブされてしまう。そうなったら最後、新たにパーティを作ってほぼ1からやり直すほかない。結局ザコにはやられっぱなし、全滅だけは避けつつなんとかしてダンジョン最奥部までたどりつかなければならない。最後までいったらがんばって最強レベルのザコを倒しまくれば、今度は嘘のようにポンポンレベルが上がる。そのうち蟻でも踏み潰すように敵を倒せるようになる。ここぞとばかりにこれまで苦労していたザコ敵を潰しまくるがよい。

  2. 首切り
     読んで字のごとし。これを食らうと即死、しかも敵の通常攻撃にオプションのようについてくることもある。この悪どいゲームにはほかにもレベルドレインなどがあり、後半では以下のような状況が頻発する。

    ノブナガ は 切りかかってきた。
    ペケペケ は 毒に冒された。
    ペケペケ は 麻痺した。
    ペケペケ は 石化した。
    ペケペケ は 3レベル吸いとられた。
    (ピキーン!)ペケペケ は 首をはねられた。

    で結局即死。ちなみに首をはねられたときに「ピキーン」と鋭い効果音があるのだが、 これがまた厭味なほどいい音である。それと、「ノブナガ」は最強のザコとして 有名らしい。

  3. 死亡回復
     失敗することがある。失敗すると「死亡」が「灰」になり、さらに失敗すると永遠に消滅する。あんまりである。

  4. テレポート
     知っている人は知っている、宝箱の罠の一つテレポーター。「おおっと! テレポーター」の表示が出たら即リセットしないととんでもないことに。まかり間違って「石」の中に飛ばされると「石の中にいる」と出て全滅。ほかにも移動の魔法を使い損なうと初期のものはひどかった。ダンジョンの存在しないほど下の階に行こうとすると「石の中にいる」で全滅、上の階に行き過ぎると「あなたは都市の上空にテレポートして、地面に落下した。(ちなみに、きみらはもう死んでいる!)」という情け容赦ないメッセージ(もちひらがな表記)ののちみんなそろってお墓入り、やっぱり全滅。指を滑らせて空を飛んだ人は多いはず。

  5. 最強魔法、マハマン
     たまに出てくるこの魔法、戦闘中に使うと「神に願いをかけ」、三つのなかから一つを選んで願いを叶えてもらう。これがまた使えないのだ。いくつかの中からそのつどランダムで出てくる「お願い」は必要な時に限ってろくなものがない。しかし、その中にたった一つすさまじいものが。すなわち「敵を吹き飛ばす」。いわゆる敵全滅の技だが、これを使うとボスまで吹っ飛ぶ。あいかわらずめちゃくちゃだ。

  6. 終わり
     たいていは「ラスボス」がちゃんといるのだが、それを倒してもまだ先のストーリーがあってさらにまたラスボスがいて、下手をするとまたさらに「ラスボス……?」というのが出てきて……ときりがない。どれがラスボスにせよ、ゲームが完全に終了することはなく、プレイヤーは暇つぶしにダンジョンをうろつきまわるはめになる。シリーズの中には倒せないラスボスまでいる。

     エンディングはたしかに存在する。しかしこれを見ても終わりにならないのがほとんど。場合によってはさらにエンディングがあることも。結局プレイヤーはどこが終わりかわからずじまいで気持ちが悪い。どこが真の「エンディング」なのか……人生はえてしてこういうものかもしれない。

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