ウォーリアー プリンセス



 二人の女性が旅をしながら様々な冒険をする、という内容の英国の連続ドラマ「ゼナ ウォーリアー プリンセス」。吹替えも字幕もなしの英語オンリーの放送だったため、内容は大雑把にしかわからなかったが、それでもなかなかすごいものであった。

 まず主人公の二人組。心優しくおとなしい、風にも耐えぬような女性と、がさつで筋骨たくましい大女という組合せ。前者が「プリンセス」で後者が「ウォーリアー」だとばかり思っていたが、実は後者が両方兼ねていた。

 さてこのゼナという名のお姫様、異常に強い。ならず者の集団に囲まれようと、手練れの暗殺者を相手にしようと、滅多に手傷を負うこともなく勝利してしまう。しかも彼女の戦闘方法は優雅とは程遠く、うなり声をあげ大刀を振りあげる姿は野蛮そのものである。

 それに比べてお付きの女性(姫の従者か?)は役に立たず、敵に囲まれてきゃーきゃー叫んではゼナに助けられている。しかもなぜか怒りっぽく、ゼナが歯をむき出しにして反対しても意見を曲げない頑固もの。二人の関係は謎だらけだ。

 このドラマ最大の特徴は違和感だらけの映像にある。よい例がある。お姫様であるゼナはサルを思わせる身軽さを有していて、側転、バク転、宙返りなどを多用し、ジャンプ力は人間とはとても思えぬほどだが、いかんせん役者のジャンプ力はそこまで達し えない。そこで映像技術の登場となる。「地面から木の高枝に直接飛び移る」という無謀なシーンを撮るために、まず役者が生身で(なぜか連続宙返りをしながら)飛べるところまで飛ぶ。ジャンプが頂点に達したら、その先は別の映像をくっつけて無理やり飛ばす。これでうまくごまかせるはずが処理に失敗したらしく、ジャンプの頂点をすぎてやや落下したところで別映像をつなげてしまったため、ゼナのジャンプは不自然な軌道を描いてしまったのだ。例えるなら「連続宙返りしながらの二段ジャンプ」。こうしてゼナは明らかに人間でなくなってしまった。

 …なにはともあれ、このドラマは観ているだけでも楽しいものだ。特に「お姫様」という言葉に夢のような先入観をもっている人には、ゼナが現実以上に苛酷なものをみせてくれる。お勧めの一品である。

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