12001年6月12日  (日刊)
魔界タイムス


希少民族襲われる

またも人間の犯行 各地で抗議行動


 十二日未明、希少民族バブリー一族の村が人間たちに襲撃され、重傷五人、軽傷二十二人と一族のほとんどがけがを負った。犯人はまたも人間四人組の自称「勇者」で、人間による事件はこの二ヶ月で十二件となった。人間たちの度重なる暴力に、各地の魔族が抗議行動を起こしている。(関連記事30面)

 警察の調べによると、十一日深夜からバブリー一族の村の周辺をうろついていた人間四人が、十二日になって突然村に侵入、「ムラマサをよこせ」などと叫びながら村人たちを次々斬りつけた。この事件で、希少民族の認定を受けているバブリー一族のほとんどが重軽傷を負い、重傷者五名がデ・ビール病院に収容された。犯人たちは通報を受けて駆けつけた警察官に取り押さえられ、現在も取調べを受けている。
 調べに対し犯人たちは「レベル上げをしていた」「レアなやつらに会いたかった」「やつらはレアアイテムを落とすはずだ」「攻略本に載っていた」などと意味不明の証言を続けており、反抗的態度を改めないという。捜査は難航しており、魔界警察では近く専門家を呼んで意見を聞く方針。
 人間による事件は今年に入って急増しており、各地の魔族は自警団を組織するなど警戒を強めている。また人間追放のデモや魔界外務省前での座り込みなど、各地で抗議行動が多発している。
 魔界外務省は人間界への抗議を続けているが、人間界はリムダール条約を理由に即答を避け、いまだに公式回答は届いていない。アスタロト外相は「人間界とはこれまでどおり友好な関係を保ちたい」としながらも、人間による犯行がこれ以上増えるようであれば人間界への輸入制限も検討すると発言、これまで以上に強気の姿勢を明らかにした。


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