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名店と名高い日村の『ルミナリーシエ』でチョコレートケーキを2つ買った。 ルミナリーシエ。想像力を刺激する名だ。 悪の帝国の女幹部。主人公を何度も苦しめてきた女だが、物語も佳境に差し掛かったところで突然劇的な裏切りを見せ、悪の大総統が 「ルミナリーシエェェェッ!きさまぁぁぁっ!」 と怒号する…そんなシーンを連想する者も多いことだろう。 静謐に満ちた店内に入ると、奥から楚々とした女が音もなく現れた。この女が知将と名高いルミナリーシエか。 陳列ケースを覗う。価格は600〜700円帯。何度かお勧めを見たのはチョコムースケーキだが、その名は見当たらない。売り切れか、今日はたまたまないのか、それともこれがルミナリーシエの罠か。 ならばとチョコ系から選ぶ。チョコムースが使われていると説明のある、新発売の札がついた『ルミナリーシエ』と、チョコとキャラメルが入った『ショコラノワゼットキャラメル』。店名のついたケーキが新発売とは。ハードルが上がりそうなものだが、よほどの自信作なのだろうか。 ルミナリーシエは隙のない所作でケーキを取り出し、持ち運び時間を尋ね、いつの間にか箱入れを完了し、ケースのこちら側に出てきて箱を俺に手渡した。それは宮廷人の身ごなし。やむなく帝国に与する前は身分のある女だったに違いない。 帰宅後、さっそく実食。箱の中で少々崩れてしまったのは無念だ。日村から津田島にかけては長い坂で速度が出る上、段差が多い。そして俺の愛車MAMA-CHARIには反重力装置がついていない。 ごっ。 どこかに頭をぶつけたのではない。一口食べた素の反応がこれだ。 待て、美味すぎる。なんだこれ。小学生並みの形容詞しか出てこない。 このショコラの上品さはどうだ。一瞬世界がチョコ一色になったような甘美な衝撃。クリームのなめらかさは天女の愛撫、そして…ん?いつの間に食べ終えたんだ俺は? どちらのケーキもチョコへのただならぬ愛情とこだわりを感じた。キャラメルの味わい豊かなショコラノワゼットもよいが、店名を冠したルミナリーシエのうまさは感動の一語だ。気に入った店には通い詰めてメニュー全制覇を目論む俺だが、今後通うたびにルミナリーシエを買いかねない。 近頃スイーツの自作にハマり、おやつスケジュールが立て込んでいるのだが…次に行く日が待ち遠しい。待ち遠しいぞルミナリーシエェェェッ! ・メニューへ |